「普段捨ててしまうナスのヘタが、歯磨き粉になる」
こんな話を聞いたら、どう思いますか? にわかには信じがたいかもしれませんが、これは江戸時代から日本に伝わる、先人たちの知恵なのです。化学製品がなかった時代、人々は自然の中にあるものを巧みに利用し、日々の暮らしを営んでいました。
今回は、そんな古くからの知恵である「ナスのヘタ歯磨き粉」の歴史や使い方、そして同じくハミガキ粉に配合されていることもある自然由来の頼れるアイテムについてご紹介します。
▇江戸っ子もお気に入り?「ナスの黒焼き歯磨き粉」の歴史
日本で歯磨きの習慣が庶民に広まったのは、江戸時代だといわれています。1625年には、日本で初めてとされる歯磨き粉「丁字屋歯磨」(大明香薬)が発売されました。当時の人々は、歯の白さや口臭予防への意識が高く、さまざまな歯磨き粉が作られていたようです。
そうした時代背景のなか、活用されるようになったのが「ナスのヘタの黒焼き」です。普段なら捨ててしまうナスのヘタを炭になるまで焼き、それを砕いて粉末状にしたものがナスのヘタの黒焼きです。平安時代の書物『和名類聚抄』にも「茄子の茎を炭にて焼きて歯磨材とす」といった記述があり、古くから口内ケアに使われていたことがうかがえます。
▇なぜナスのヘタが歯磨き粉に? その効果と作り方
ナスのヘタの黒焼きは、歯茎を引き締める効果があるとされ、歯槽膿漏や歯周病、口内炎、歯痛の緩和に有効だと考えられてきました。また、炭の持つ吸着効果で口臭を防ぐとも言われています。
作り方は至ってシンプルです。
- ナスのヘタをよく乾燥させる。
- アルミホイルなどに包み、フライパンや網で炭になるまでじっくりと焼く。
- 焼きあがったヘタをすり鉢などで細かく砕き、お好みで塩を少し加えたら完成です。

使い方は、少量を指や歯ブラシにとり、歯や歯茎を優しくマッサージするように磨きます。泡立ちはありませんが、自然な爽快感が得られるはずです。
▇森の恵み「ヒバ精油」も頼れるアイテム
ナスのヘタ歯磨き粉のように、私たちの周りには自然由来でくらしに役立つものがたくさんあります。その中でも特に注目したいのが「ヒバ精油」です。
ヒバは日本固有の樹木で、特に青森ヒバは、古くからその優れた特性のために神社仏閣などの建材として重宝されてきました。このヒバから抽出される精油には、「ヒノキチオール」という成分が豊富に含まれており、これがさまざまな効果をもたらしてくれます。そしてヒノキチオールは、ハミガキ粉などにも含まれているんです。
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<ヒバ精油の4大作用>
◎無臭化へ導く消臭作用
ヒバ精油の大きな特徴は、その優れた消臭作用です。ニオイを上書きしたりごまかしたりせず、中和して消臭してくれるので、透明度の高い消臭感が魅力。使用済みのおむつといった、ハードなニオイにも有効に作用してくれます。
◎強力な抗菌作用
ヒバ精油には、優れた抗菌・除菌作用も備わっています。カビや雑菌の繁殖を抑えるため、食中毒の予防や水回りの掃除など、幅広く利用できます。
◎優れた防虫作用
古くからヒバの木で建てた家には蚊やシロアリが寄ってこないと言われるほど、その防虫効果は知られてきました。ゴキブリなどへの忌避効果も期待できるほか、ダニにも作用するので布団のダニ対策や衣類の防虫対策にも効果的です。
◎心やすらぐリラックス作用
まるで森林浴をしているかのような、清々しく落ち着いた香りは心身の緊張を和らげ、リラックスさせてくれます。アロマディフューザーで香りを楽しんだり、お風呂に数滴垂らしてアロマバスにしたりするのがおすすめです。
▇自然の恵みを取り入れて、もっと豊かな毎日を
今回は昔ながらの知恵に触れ、ナスのヘタから作る歯磨き粉とヒバ精油という、2つの自然由来アイテムをご紹介しました。
いろいろ便利な世の中になりましたが、買い物や調べ物などはネットやAIに任せ、余った時間で丁寧なくらしをしてみる。そして化学物質に頼るだけでなく、時には自然の力を借りてみる。
そんな選択肢を持つことで、私たちのくらしはより豊かで健やかなものになるのかもしれなません。
まずはヒバ精油のスプレーなど、手軽にできるものから、自然の恵みをくらしに取り入れてみませんか。
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