▇香りの探知システムを解明しノーベル賞を受賞!
こんにちは。「自然に寄せたくらし」がコンセプトのネイチャライズです。
人間には香りを探知する「嗅覚受容体」(きゅうかくじゅようたい)と呼ばれるものが備わっていますが、どのくらいあるかご存じでしょうか?
その数、約350種類。ですが人間は、なんと約1万種類もの香りを嗅ぎ分けることができるんです。一体どうやってかというと、受容体を組み合わせることでそれだけ多くの香りを判別しています。
このことを発見したアメリカ・コロンビア大学のRichard Axel博士と、フレッド・ハッチソンがん研究センターのLinda Buck博士は2004年、ノーベル医学生理学賞を受賞しています。
※画像はBBCのホームページより引用
エッセンシャルオイル(精油)やお香を使って心や体に働きかけるということは古くからおこなわれてきましたが、その作用の仕組みは解明されてきませんでした。しかし嗅覚受容体の存在が明らかになったことで、近年では香りがもたらす効果を科学的に解明しようという動きが高まっています。
▇エッセンシャルオイルの成分「αピネン」がストレスを軽減
外敵の脅威や食料の確保、仲間とのコミュニケーションなど、生き物が生きていくうえでストレスを0にすることはできませんが、過度なストレスによって副腎皮質から「コルチゾール」というホルモンが分泌され続けると、記憶を司る「海馬」の神経細胞が萎縮し、うつ病となってしまいます。
しかし東邦大学 神経科学研究室の増尾好則教授は2008年、ストレスが原因で脳内にできる遺伝子とたんぱく質が、コーヒーの香りで抑えられることを学会誌に発表しました。
するとワシントンポストやニューヨークタイムズなど、世界各国のメディアから取材を受けるほどの反響があったといいますが、増尾教授は続いてエッセンシャルオイル(精油)についても研究を実施。その結果、ラベンダーやヒノキの香りによって、脳内神経によい働きをする物質が増えることを突き止めています。
ヒバの木から抽出したエッセンシャルオイル(精油)をはじめ、多くのエッセンシャルオイル(精油)には「αピネン」という物質が含まれていますが、マウスにαピネンを嗅がせたところ、海馬の細胞に働きかけるたんぱく質の割合が増加したことも増尾教授は明らかにしています。
森のなかを歩くことでストレスが軽減したという行動科学的な実験データがあるなか、エッセンシャルオイル(精油)を嗅ぐことでもストレスが抑えられることがわかったということです。
最近、軽いストレスが続いているなぁという方は、適度にコーヒーを飲んだり、エッセンシャルオイル(精油)を嗅いだりして、それが解消できるか試してみてはいかがでしょうか。
出典:東邦大学「アロマと嗅覚、そしてストレス」
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