こんにちは。「自然に寄せたくらし」がコンセプトのネイチャライズです。
「森」という字が入っているだけあって、青森県には八甲田山や白神山地の「ブナ」、県南の「アカマツ」、津軽・下北半島の「青森ヒバ」と、さまざまな樹種が生育しています。なかでも青森ヒバは県の木に指定されているほか、「木曽ヒノキ」「秋田スギ」とともに日本三大美林の1つと称されています。
青森ヒバの蓄積量は木曽ヒノキの約3倍、秋田スギの約7倍もあるとされていますが、それは藩を挙げて森を守ってきたから。たとえば成長したヒバだけを伐採する「天然更新」は、江戸時代よりおこなわれてきました。
(江戸時代におこなわれていた森の管理についてはこちら)
古来より建築の木材などに利用されてきた青森ヒバは、人力のほか家畜の力も借りながら運搬。冬の間に川のそばまで運び、雪が解けて水量が増えたら、川に浮かべて運搬していたのです。
※画像は青森県庁ホームページより引用
しかしこの方法だと運べるヒバの量や時期が限られるほか、木が傷んだり、紛失したりといったことも少なくありませんでした。また明治時代になると日露戦争による木材ニーズの高まりなどから、より効率的に輸送する必要が出てきました。
そこで整備されたのが、日本初の森林鉄道である「津軽森林鉄道」です。津軽森林鉄道は1906年(明治39年)に着工し、1909年(明治42年)に開通。その総建設延長は283kmと、日本の森林鉄道のなかで最大の長さを誇りました。
※画像は林野庁ホームページより引用
全国に青森ヒバを届けるべく、最盛期には年間70,000㎥もの木材が運搬されましたが、トラックによる輸送が発達してくるとその量は段々と減少。そして1967年(昭和42年)には、およそ60年にわたる歴史に幕を閉じました。
※画像は青森県庁ホームページより引用
しかしながら、その軌道跡や橋などは将来にわたって記録・記憶すべきものとして、2017年、一般社団法人 日本森林学会の「林業遺産」に選定されました。木曽ヒノキを運搬した「木曾森林鉄道」や屋久杉で有名な「屋久島の林業集落」なども同じく林業遺産に選定されています。
津軽森林鉄道に関するさまざまな資料は「青森森林博物館」や「中泊町博物館」に展示。また奥津軽トレイル俱楽部は、津軽森林鉄道の軌道跡をめぐるトレッキングツアーを主催していて、鉄橋や木橋、トンネルなどの跡を見ながら歩くことができます。
森林鉄道に興味がある方や、青森に行くことがあるという方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
出典:青森県庁ホームページ