前回はヒバの木から抽出した「ヒバ精油」が、イエシロアリにどのような効果をもたらすのかについてご紹介しました。今回はヤマトシロアリを取り上げ、同じようにヒバ精油がもたらす効果をお伝えいたします。
シロアリが日本に何種類くらい棲息しているのか、みなさんはご存じでしょうか。その数、20種類以上。
多いような気もしますし、まぁそんなところかなという気もしますが、実はシロアリ被害の9割以上がヤマトシロアリによるものなんです。「ヤマト」とつくだけに被害に関しても日本では有名な存在、といったところでしょうか。
そしてほとんどの種類のシロアリは生きている木ではなく、死んでいる木を食べます。つまり製材された柱や梁などは、恰好のエサというわけです。
そんなヤマトシロアリに対し、防虫効果が認められているヒバ精油がどのように働くのか、あるチームが実験をしました。その結果、次の表のようになりました。
ヒバ精油1mgを使うと死虫するヤマトシロアリが出はじめ、その割合は30%。そしてヒバ精油を1.8mg使うと90%のヤマトシロアリが死ぬという結果となりました。3倍の効果を得るために、ヒバ精油の量は倍も必要ないというのは少し興味深いですよね。
ただし同じヒバでも木の中心付近の「心材」と、その周辺の「辺材」とではヤマトシロアリに対する働きが大きく異なり、辺材には忌避性や殺蟻活性はほとんど認められなかったということです。
こちらも事実としてお伝えいたします。
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