これからもっと寒くなっていくと、手や指の除菌回数が増えると思います。みなさんは普段、どんなもので除菌していますか?
一番メジャーと言ってもよいのがエタノールかもしれません。エタノールはWHO 世界保健機関が、「手指の消毒に安全に使用できる」と評価しています。
ところが、10月21日にイギリスの『フィナンシャル・タイムズ』が発表したところによると、欧州化学品庁の作業部会の1つが「エタノールはがんのリスクを高める有害物質であり、洗浄製品などでは他の物質を使うべき」という見解を示したそうです。
これを受け、EU(欧州連合)はエタノールを「発がんリスクのある危険物質」に分類することを検討しているといいます。
11月25日〜28日には専門家たちによる委員会が開催され、仮にエタノールが発がん性物質と結論づけられた場合には、欧州化学品庁は代替物質の使用を勧告。そして最終的な判断は、欧州委員会が下すとのことです。
ただし、「予想されるレベルよりも安全とみなされる場合や、他に代替手段がない場合は、引き続きエタノールを消毒剤として承認する可能性がある」と欧州化学品庁は説明していて、現時点では決定ではないことを強調しています。
日常的に使用しているものに、発がん性の疑いがあるというのは穏やかではありませんが、ちょっと心配という場合は、100%植物由来の「精油」が役に立ちます。
たとえば、オーストラリア原産の「ティーツリー」には100種類以上の天然の化学成分が含まれているといわれ、抗菌・除菌作用や抗ウイルス作用も備えています。
また、日本の固有種である「ヒバ」にも抗菌・除菌作用が認めてられていて、特に「ヒノキチオール」という成分は抗菌作用にすぐれていることがわかっています。
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ただし、「精油配合」「○○精油使用」という表記がある場合は、エタノールをはじめとする成分が混合されています。また「エッセンシャルオイル」とは精油のことで100%天然由来ですが、よく聞く「アロマオイル」は精油以外の成分が含まれていることを意味します。
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11月下旬に開かれる委員会の結論が待たれるところですが、気になるという人は、今後の欧州化学品庁の動向をチェックしてみてください。
