「ヒノキ」は誰もが知るところだと思いますが、ヒノキに見た目がそっくりな「ヒバ」という木をご存じでしょうか? ヒノキとヒバ。名前も似ているこの2つには、実はいろいろと違いがありますので、それをわかりやすくご紹介します。
①【分類の違い】
植物学的に、ヒノキは「ヒノキ科ヒノキ属」に分類され、ヒバは「ヒノキ科アスナロ属」に分類されます。「ヒノキ科」として大きいくくりでは同じなのですが、実際には別の樹種になります。
ヒノキ=「ヒノキ科ヒノキ属」
ヒバ=「ヒノキ科アスナロ属」
②【見た目の違い】
遠くから見るとそっくりな2つの木ですが、細かなところに違いがあります。
1. 葉の形
ヒノキの葉は細かく繊細で、平らに広がっているのが特徴です。一方、ヒバの葉はヒノキよりも大きく厚みがあり、丸みのある印象を受けます。
↑ヒノキの葉
2. 葉の裏の模様
最も見分けやすいポイントが葉の裏側です。ヒノキには白い「Y字」が見られるのに対し、ヒバは白い「W字」や「蝶が羽を広げたような形」が現れます。
↑ヒバの葉
3. 枝ぶり
ヒノキは枝先が細く、しなやかに垂れるため、全体的に繊細な印象。ヒバは枝葉が密集しており、ボリューム感のある力強い姿をしています。
4. 樹皮
ヒノキの樹皮は赤褐色で、細長く薄くはがれるのが特徴です。一方、ヒバは灰褐色から赤褐色で、厚みがあり、ややゴツゴツとした質感をしています。
5. 樹形
ヒノキは細長く整った円すい形に育つことが多く、すっきりとした樹形になります。対してヒバは横幅がやや広く、どっしりとした安定感のある樹形になる傾向があります。
③【香りの違い】
どちらも森のなかにいるような、スキッとした清涼感がありますが、細かな印象にも違いがあります。
ヒノキ=明るく爽やかで、全体的に軽やかな印象
ヒバ=ウッディで重厚感と深みがあり、落ち着いた香り
④【成分の違い】
一番の大きな違いは、含まれている成分です。
ヒノキ
リラックス効果の高い「α-ピネン」などが主成分で、上品な香りが特徴です。
ヒバ
特筆すべきは「ヒノキチオール」という成分。名前に「ヒノキ」と付いていますが、実はヒノキにはほとんど含まれておらず、ヒバに極めて豊富に含まれている希少な成分なんです。
このヒノキチオールには、強力な抗菌・防虫・消臭作用があるため、ヒバは「腐らない木」「虫が寄らない木」として古くから重宝されてきました。
⑤【生態の違い】
ヒノキとヒバでは、育つスピードや生育環境も異なります。
ヒノキ=陽樹
比較的温暖な地域を好みます。太陽の光を浴びてすくすくと育ち、約50年で成木になります。
ヒバ=陰樹
主に青森や北陸など、寒さ厳しい北国で育ちます。特徴的なのは成長の遅さで、ヒバは約100年という長い歳月をかけてゆっくりと成長します。
【ここがポイント!】
厳しい寒さに耐え、じっくりと時間をかけて育つからこそ、ヒバの木目(年輪)は非常に細かいほか、その体内にヒノキチオールという強力な防腐・抗菌成分を蓄える必要があったのです。ヒバの力は、厳しい自然を生き抜くための「生命力の結晶」と言えそうです。
▉まとめ
いかがだったでしょうか。ヒノキとヒバは見た目も香りもそっくりですが、じっくり観察したり香ったりすると、違いがあるのがわかります。
そしてヒバのおがくずから抽出したヒバ精油には、ヒバの強みである抗菌・消臭・防虫作用が凝縮されています。キッチンやクローゼット、靴箱やトイレなど毎日のあらゆるシーンで活用しますので、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。